自己破産はしたくないという人や自己破産したくても弁護士に依頼するお金がないという人、はたまたどういう債務整理の方法があるのかわからない人などいろいろな人がいるでしょう。このまま放っておくと到底返済できそうにない人も多いのではないでしょうか。そういうあなたは、特定調停を利用してはどうですか?
今、日本には自己破産の一歩手前の「自己破産予備軍の人」が200万人いると言われています。つまり、あなたと同じように借金で苦しんでいる人が200万人もいるのです。借金の問題を抱えることはそう珍しいことではないのです。しかし、これだけ多くの人が借金で苦しんでいるの見殺しにするわけにはいきません。何か解決法を考えねばならない。そこで作られたのが、特定調停なのです。あなたも、弁護士に頼らなくても自分ひとりでできる特定調停をしてはどうでしょうか?
特定調停とは、2002年2月に施行された「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」によって、裁判所の力を借りて、借金を少なくする方法で、「支払いができなくなる一歩手前」、「保証人に迷惑をかけれない」、「自己破産したくない」という人なら、できます。
具体的にどうやって借金を少なくするかというと、利息制限法を使うわけです。
利息制限法では、下の利息のように、金利の上限を決めています。
元本(借りているお金)が10万円までのとき、金利は20%以内
元本が10万円~100万円のとき、金利は18%まで
元本が100万円以上のときは、金利は15%まで
あなたは今まで、100万円以上の金額を25%前後の利息で借りていたと思います。つまり、利息制限法で定められている利息より約10%余計に利息を払っていたわけです。そこで、特定調停では今までのサラ金との取引をすべて利息を約10%下げて、計算し直すわけです。これによって取引期間が長ければ長いほど、余計払っていた利息が多くなるので、その分が今のあなたの借金から引かれることになり、借金が減るというわけです。
話がすこし脇道にそれますが、利息に関するもうひとつの法律についてもお話しましょう。利息を決める法律というのがもうひとつあって、それは出資法といいます。これは、元本の金額にかかわらず利息は一律29.2%までと規定しています。この二つの法律の矛盾する部分を法律のグレーゾーンと呼んでいます。しかし、なぜ法律にこのような矛盾点が出てくるのでしょう。
それは、利息制限法には罰則規定がないからです。つまり、利息制限法に違反しても、罰せられることはありません。しかし、出資法に違反すると、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられます。だから、大手サラ金は29.2%に近い金利を設定しているわけです。
まず、近くの簡易裁判所へ行き特定調停申立書一式をもらってください。その書類に必要事項を記入し、住民票や給料明細書などの必要書類を添えて、簡易裁判所に提出します。これを申立てといいます。これで、特定調停がスタートします。
申立てをして2週間ぐらいで調停呼出状が送られてきて、それには1回目の調停をする日が書かれています。この日は、利息制限法で計算し直したあなたの借金を、あなたの家計の状況で3年(最大5年)で返済できるか調停委員が判断する日です。調停委員はサラ金が提出してきた計算書(あなたの借金の金額などが書かれています)を見ながら、あなたとの面接を行います。誠意を持った態度で臨みましょう。この日は調停委員との面接なので、サラ金は来ません。
あなたと調停委員、サラ金社員で話し合いが行われます。サラ金が出てこないことも多いので、その場合はあなたと調停委員とで話し合いになります。出てこないときは、事前にサラ金から「裁判所の決定に従う」という内容の書類が提出されていたり、調停委員とサラ金が電話で交渉をすることになります。電話での交渉は調停委員がやってくれるので、あなたがサラ金と話す必要はありませんし、サラ金が出てきた場合でも、調停委員があなたとサラ金の間に入って交渉してくれるので安心できるでしょう。この日に話がまとまらなければ、また別の日に調停をすることになりますが、たいていの場合、この日に話がまとまるので調停はこれでおわりです。
申し立てから特定調停終了までは、2~5ヶ月くらいかかります。 その間、サラ金会社からの取り立ては一切行われません。(法律で禁止されています)
特定調停では、あなたの借金を利息制限法に基づいて18%で計算し直します(借金総額100万円以上の場合)。ほとんどの消費者金融が29.2%に近い金利で融資を行っているので、あなたは10%ほど金利を払いすぎていたことになり、その払いすぎた分を今の借金から引くことにより、借金を減らすことができます。
裁判所に特定調停を申し立てると、金融業者は取立てをしてはいけないと貸金業規制法-取り立て行為の規制-で決められているので、取立てから解放されます。
特定調停は債務者が自分の力で債務整理をするために作られた制度なので、法律の知識がなくても問題ありません。金融業者との交渉はすべて裁判所の調停委員がやってくれます。
自己破産では、免責不許可事由となるギャンブルによる借金でも特定調停なら関係なく、申し立てることができます。
自分で書類を書いて申立てをすれば、1社あたり切手代700~800円程度で済むので、誰にでも利用できるでしょう。
一度自己破産をして免責がおりると、その後7年間は自己破産を申し立てても免責はおりません。(以前の破産法では10年間でしたが、2005年1月から施行された新破産法では7年間になりました)そういう場合には特定調停が有効です。
サラ金との取引期間が短い人は利息制限法で引き直しても、たいして借金が減らないので特定調停を利用してもあまり意味がありません。逆に借金が大きすぎると3年(最大で5年)で返済しきれないために不調(失敗)になります。
自己破産や任意整理を弁護士に依頼すると、弁護士がわずらわしい作業をやってくれますが、特定調停は書類の作成から調停委員との話し合いまですべて自分でやらないといけません。平日に裁判所に行かなくてはならないため、仕事に支障をきたす場合もあるでしょう。
信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストにのる)ので、その情報が消えるまでの5~7年間は借金をすることができなくなります。
費用は印紙代、切手代で、1社につき700円~800円といったところです。これは裁判所によって異なりますが、ほとんど変わらないでしょう。
借金を返済するのが難しい人、すでに返済が滞っている人なら個人・法人問わず誰でも申し立てることができます。
特定調停は本人以外は申し立てることはできません。
はい、できます。保証人をつけているなど何か事情があるのなら、一部の債権者だけ申し立てるものいいでしょう。
つかない場合も多いです。2回目以降の調停のときに利息をつけないようにお願いするといいでしょう。
近くの簡易裁判所でもらってください。
特定調停申立書、関係権利者一覧(債権者一覧)、戸籍謄本、住民票、収入を証明する書類(給料明細など)などですが、提出しなければならない書類は裁判所によって違うので、申立書をもらいに行くときに聞いてみましょう。
残念ながらなりません。どんなに滞納していたとしても、特定調停で税金の支払いを延期・停止することはできません。
これといって決まりはありませんが、債権者と話し合いをするわけですから、できるだけ派手な格好はせず、質素な服装で行くといいでしょう。
早くて1ヶ月、遅くて5ヶ月ぐらいで、目安として2ヶ月程度でしょう。